후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
その十郎も、なかなか戻って来ないのである。
陣の行事も種々すんで、片瀬川から龍ノ口へかけての野原では、さっきから競射が行われていた。徒士の矢数、馬上の射懸け、騎兵群の乱取り、一騎駈け勝負など、調武あり試合あり、武者所の豪や、各家選抜の勇が、名を競うものだった。
ことしは、高時が病中で上覧桟敷はさびしいが、北条一門、執権代、連署、引付衆などの歴々の顔は欠けまい。――そして、佐々木道誉も来ていよう。……直義の不安は、だんだんに増していた。
「なにせい、曠れの人中というと、いつもヘマやら大事を起され勝ちな兄上だし……」
何となく、彼の先入主は拭いきれない。
かつての鳥合ヶ原では闘犬と取っ組み、華雲殿では不敵な酒狂沙汰を振舞ったらしい。またぞろ、その兄が道誉の挑みに乗って、取返しのつかぬ醜態でも演じなければよいが。
もしまた、道誉との騎射競べに勝ち得るとしても、先の宿怨を深めるだけで、将来のためには、よろこべたことではあるまい。
「ああ、将来……」
兄弟には、ひそかに期するものがあるはずではないか。その兄が、と直義には憂えられもし、疑われ出しても来る。
――すると、まもなく、彼は彼方に意外な二人連れを見出し、我ともなく床几を立った。