후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
私本太平記
下天地蔵
下天地蔵
まだ除夜の鐘には、すこし間がある。
とまれ、ことしも大晦日まで無事に暮れた。だが、あしたからの来る年は。
洛中の耳も、大極殿のたたずまいも、やがての鐘を、偉大な予言者の声にでも触れるように、霜白々と、待ち冴えている。
洛内四十八ヵ所の篝屋の火も、つねより明々と辻を照らし、淡い夜靄をこめた巽の空には、羅生門の甍が、夢のように浮いて見えた。そこの楼上などには、いつも絶えない浮浪者の群れが、あすの元日を待つでもなく、飢えおののいていたかもしれないが、しかし、とにかく泰平の恩沢ともいえることには、そこらの篝番の小屋にも、町なかの灯にも、総じて、酒の香がただよっていた。都の夜靄は酒の匂いがするといってもいいほど、まずは穏やかな年越しだった。
「さ、戻りましょうず。……若殿、又太郎さま。……はて、これは困った。いつのまにやら、邪気も無う、ようお寝みだわ」
一色右馬介は苦笑した。ゆり起しても、若い主人の寝顔は、居酒屋の床几に倚ったまま、後ろの荒壁を背に、ぶらぶら動くだけなのである。
「これはちと、参らせすぎたな。やはりお年はお年」
右馬介は侍者として、急に自分の酔をさました。