후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
こうした小半日のすえ。
「いささか酔うた」
道誉は顔を撫で、
「高氏どの、ちと醒ましに庭へ出ようか。――夜は夜を新たにして、また趣向をかえた杯としようほどに」
と、みずから先に席を離れた。
高氏も大庭へ降りて立つ。
右馬介、土岐左近、家臣小姓たちも、ふたりの逍遥につづいて行った。山城の曲輪は、四山の嵐気を断っているが、伊吹の中腹である、何といっても風は冷たい。
「おつかれかな、高氏どの」
「いや、ひどく快いのです。それに奇木大石、泉や流れのおもしろさ。庭造りの結構にも、酔眼が醒まされる」
「ほ。御賞美にあずかったか。自慢に似たれど、これも自分の造庭でおざる。……おうここらで、茶など一碗献じようか。茶亭のしたくはよかろうな。土岐どのは、先へ行け」
左近の姿が、木立の中の小道に消えると、道誉は右馬介と家臣らを見て、
「何せい、茶堂は手ぜま。そちたちは、戻って休息せい」
と、しりぞけた。
この時代にはまだ後世のいわゆる茶道などは生れてない。けれど喫茶の風は、ぼつぼつ、拡まりかけていたのである。禅僧の手で漢土から渡来した始めのころは、禅堂や貴人のあいだに、養生薬のように、そっと愛飲されていたにすぎなかったが、近ごろでは“茶寄合”などという言葉さえ聞くほどだった。