후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
けれど高氏の身分ではそういう面にはしごく不便であった。だから彼の早熟な性の穂に奇縁の蝶々がとまったのもわずか二度ほどな前例しかない。
いちどは歌垣のやみまつりを見物にゆき、どこのたれとも得しれぬ年上の山家妻に引かれて宮の木暗がりで契ッたことと。また、も一つの体験は、御厨ノ牧へ遠乗りに行った麦秋の真昼であった。馬屋の干しワラの中で、つい牧長の小むすめと陽炎みたいに戯れ睦んだことがある。――そして、前の件は知れずじまいに終っているが、後者はその後小むすめが親にでも洩らしたか、やがて高氏の母清子の知るところとなっていた。
父貞氏もだが、母は父以上に潔癖なひとである。家臣をして牧長の父娘にどういう処置をとらせたものか、高氏も知らないうちに、いつか、父娘は牧に見えなくなってしまった。
――なまじ彼にこういう前歴もあるため、今は、鳰のせいばかりでないもがきを一そうにしたのであった。しかしその鳰の唇寄せにも、なお歯がみで耐えていられたのは、これほどな酔いも、まだ、佐々木道誉の笑い黒子を忘れるまでには至っていなかったせいである。――道誉に耳打ちされている夜伽の女と思えば、心がゆるされないばかりか、小うるさくて、ついには、こんなときのためではない鍛錬の足わざを以て、鳰のからだを鞠のごとく部屋のすみへ投げつけてしまったの