후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(五)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 252,330자 · 505화면
「御諚ですぞっ」
とばかり、三人目にかかった武者は、宮のおからだを、羽がいじめにしながら、廊の口の階からふたたび大床の方へ、ど、ど、どッと引きもどした。
ふりほどきつつ、
「何者だっ。名をいえッ」
宮は、お怒りを、声にも髪のほつれにも、ふるわせて言った。
しかし、答えは、
「御諚」
「御諚」
と、だけである。そしておめきかかる武者もいつか十人やら二十人やら数も知れない。
あるまじき出来事だった。所は殿上である。宮は阿修羅になった。
「御諚とは、誰のことばを?」
問わずにいられない。絶叫せずにいられない。
たとえ冬降る雪が夏降ることはあっても、父のみかどが子の自分へかかる御諚を降すことはありえないと、なおまだ信じて疑いえない御子大塔ノ宮だった。
あるいは?
と、その憤怒を、一つの想像が、つき抜けもする。
これは足利の暴兵ではなかろうか。
あの足利のことだ。
謀をもって、兵を禁闕に入れ、帝を幽囚して、自分をもここへおびきよせたものでないとはいえない。
そういう暴挙は、保元・平治の世にも行われたことがある。宮は必死になった。かつては吉野の奥、十津川の原始林をとりでとして豼貅を叱した生命の持ちぬしでもある。