후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(五)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 252,330자 · 505화면
「…………」
廉子のさまざまな慰め言にも、なんのお答えもなく、やがてお胸をもたげても面はなお、あらぬ方へ向けたままだった。武士の捕縄にゆだねたわが子大塔ノ宮の縄目姿を、父のお眸が、えがいていたには相違あるまい。
だが後醍醐は、父ではあるが天皇でもある。その意志力は泰山のごときものだった。すべてをそれに支えとめている御眉で、廉子が世の親なみにいうなぐさめなど「いまさら何を」と、耳うるさげでおわすばかりか、大義親ヲ滅ス、を揺るがせまいとし、一トつぶの涙も睫毛に見せられてはいないのである。ただいいようもない暗澹なお顔いろであることだけは否めなかった。
「……これでいい。ひとりの子には代えられん」
ぼそと、ご自分へ言った機に、廉子もそれについて言った。
「世のため。これもなにかのご宿縁でございましょう。ただもう世へのおん祈り、犠牲なりともおあきらめ遊ばして」
「いうな。もう」
「申しますまい、返らぬことは。……ですが、廉子をおうらみではあるまいかと」
「おろかなことを。政治の断をくだすものが、女の言などに晦んでよいものか。……いや、さような繰り言は措け。……尊氏は、どうしているか」