일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんのしゅっぱつ

秦の出発

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 秦の出発(しんのしゅっぱつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,532자 · 29화면

아오조라 문고

祈祷のうちに、或は祈念をこらすうちに、時としては、ふとした忘我の瞬間に、霊界と感応して、大声にその言葉を伝える。しかもその言葉を自分で記憶している。だから彼女は、所謂シャーマンではなく、他界の精霊を意識的に信仰してるのではなく、単に霊気的感応を持つだけであり、随って、神託とか予言とか吉凶判断とかは為さない。

そういう彼女ではあるが、その生活はおよそ右のこととは縁遠い。上海にあっては彼女は、カフェーの女給をしていたことがあり、また、或るフランス人に支那語を教えていたことがあり、また、暫くダンサーをしていたこともある。このダンサー時代に秦啓源は彼女を見出し、大西路の自分の住宅の一翼に住ませた。彼女に身寄りの者はなく、楊さんだけがなにかの縁故者だという。彼女は金銭には甚だ恬淡で、装身具ははでずきで、また種々の化粧品をやたらに買い揃えて喜ぶ癖があった。

このように彼女の両面だけを書き並べると、その実体は怪しくなる。だが、或る夜、私は驚かされた。

その晩私は秦啓源と二人きり、アルカヂアで、踊り子なしのキャバレー・バンドを聞きながら、豊富なザクースカを味い爽醇なウォートカに酔った。