후리가나로 읽는 일본 고전
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まど
窓
岡本 かの子
岡本 かの子의 窓(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,773자 · 8화면
男はペンキの少し剥げたこの窓框へ肘を突いて立っていた。その頃はまだ、二人の恋は、女の兄に知られなかった。男は女の客として、女の部屋に通されていた。
女はなかなか二階へ上って来なかった。女の兄の画室で、ごとごとと音がしていた。「兄の画筆でも洗っているかな」不具で妻も持てない兄に侍して婚期をも後らした女を、男はあわれに思った。が、先刻から随分待たされた。男はいらいらしていた。一つの鳥が、群を離れてあちらの森へ飛んで行く……それを淋しく男は眺めた。「自分の恋が、女の兄に容れられようか……」
男はだんだん淋しくなった。どこか遠くで、かすかな長い汽笛の音。男は旅を思った。女を連れて、どこかの果てへ遠く旅立ってしまおうか……。
女は、ある真夏の夜半のことを思っていた。突然に、けたたましい半鐘の音。男が先ず起きて窓を開けた。「火事。火事です。Xの森だ」
男が半開きにした磨硝子の窓には火焔の反映が薄赤く染っている。女は寝乱れた髪もそのまま、男と並んで半身を窓から出した。Xの森は窓から三丁ばかり離れた右手の方に在った。ずんずん開けて行く大都市のはずれに一廓、ここばかりはそのままに保存されている或る旧大名屋敷の後庭となっていたところ。