후리가나로 읽는 일본 고전
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けいば
競馬
織田 作之助
織田 作之助의 競馬(けいば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,134자 · 24화면
が、一代の腕は皮膚がカサカサに乾いて黝く垢がたまり、悲しいまでに細かった。この腕であの競馬の男の首を背中を腰を物狂おしく抱いたとは、もう寺田は思えなかった。はだけた寝巻から覗いている胸も手術の跡が醜く窪み、女の胸ではなかった。ふと眼を外らすと、寺田はもう上向けた注射器の底を押して、液を噴き上げていた。すると、嫉妬は空気と共に流れ出し、安心した寺田は一代の腕のカサカサした皮をつまみ上げると、プスリと針を突き刺した。ぐっと肉の中まで入れて液を押すと、間もなく薬が効いて来たのか、一代はけろりと静かになり、死んだように眠ってしまったが、耳を澄ませるとかすかな鼾はあった。
それから一週間たったあの夕方、治療に使う枇杷の葉を看護婦と二人で切って籠に入れていると、うしろからちょっとと一代の声がした。振り向くと、唇の間からたらんと舌を垂れ、ウオーウオーとけだもののような声を出して苦悶していた。驚いて看護婦が強心剤のアンプルを切って、消毒もせずに一代の胸に突き刺そうとしたが、肉が固くてはいらなかった。僕にやらせろと寺田が無理矢理突き刺そうとすると、針が折れた。一代の息は絶えていた。