후리가나로 읽는 일본 고전
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けいば
競馬
織田 作之助
織田 作之助의 競馬(けいば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,134자 · 24화면
朝からどんより曇っていたが、雨にはならず、低い雲が陰気に垂れた競馬場を黒い秋風が黒く走っていた。午後になると急に暗さが増して行った。しぜん人も馬も重苦しい気持に沈んでしまいそうだったが、しかしふと通り魔が過ぎ去った跡のような虚しい慌しさにせき立てられるのは、こんな日は競走が荒れて大穴が出るからだろうか。晩秋の黄昏がはや忍び寄ったような翳の中を焦躁の色を帯びた殺気がふと行き交っていた。
第四角まで後方の馬ごみに包まれて、黒地に白い銭形紋散らしの騎手の服も見えず、その馬に投票していた少数の者もほとんど諦めかけていたような馬が、最後の直線コースにかかると急に馬ごみの中から抜け出してぐいぐい伸びて行く。鞭は持たず、伏せをしたように頭を低めて、馬の背中にぴたりと体をつけたまま、手綱をしゃくっている騎手の服の不気味な黒と馬の胴につけた数字の1がぱっと観衆の眼にはいり、1か7か9か6かと眼を凝らした途端、はやゴール直前で白い息を吐いている先頭の馬に並び、はげしく競り合ったあげく、わずかに鼻だけ抜いて単勝二百円の大穴だ。そして次の障碍競走では、人気馬が三頭も同じ障碍で重なるように落馬し、騎手がその場で絶命するという騒ぎの隙をねらって、腐り厩舎の腐り馬と嗤われていた馬が見習騎手の鞭にペタペタ尻をしばかれながらゴールイン