일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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けいば

競馬

織田 作之助

織田 作之助의 競馬(けいば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,134자 · 24화면

아오조라 문고

歳月がたつと、一代の想出も次第に薄れて行ったが、しかし折れた針の先のように嫉妬の想いだけは不思議に寺田の胸をチクチクと刺し、毎年春と秋競馬のシーズンが来ると、傷口がうずくようだった。競馬をする人間がすべて一代に関係があったように思われて、この嫉妬の激しさは寺田自身にも不思議なくらいであった。ところが、そんな寺田がふとしたことから競馬に凝りだしたのだから、人間というものはなかなか莫迦にならない。

寺田は一代が死んで間もなく史学雑誌の編輯をやめさせられた。看病に追われて怠けていた上、一代が死んだ当座ぽかんとして半月も編輯所へ顔を見せなかったのだ。寺田はまた旧師に泣きついて、美術雑誌の編輯の口を世話してもらった。編輯員の二人までがおりから始まった事変に召集されて、欠員があったのだ。こんどは怠けずこつこつと勤めて二年たつと、編輯長がまた召集されて、そのあとの椅子へついた。その秋大阪に住んでいるある作家に随筆を頼むと、〆切の日に速達が来て、原稿は淀の競馬の初日に競馬場へ持って行くから、原稿料を持って淀まで来てくれという。寺田はその速達の字がかつて一代に来た葉書の字とまるで違っていることに安心したが、しかし自分で行くのはさすがにいやだった。