후리가나로 읽는 일본 고전
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けいば
競馬
織田 作之助
織田 作之助의 競馬(けいば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,134자 · 24화면
二十八歳の今日まで女を知らずに来たという話ももう冗談に思えず、十八の歳から体を濡らして来た一代にとっては、地道な結婚をするまたとない機会かも知れなかった。思えば自分ももう二十六、そろそろ身を堅めてもいい歳だろう。都ホテルや京都ホテルで嗅いだ男のポマードの匂いよりも、野暮天で糞真面目ゆえ「お寺さん」で通っている醜男の寺田に作ってやる味噌汁の匂いの方が、貧しかった実家の破れ障子をふと想い出させるような沁々した幼心のなつかしさだと、一代も一皮剥げば古い女だった。風采は上らぬといえ帝大出だし笑えば白い歯ならびが清潔だと、そんなことも勘定に入れた。
ところが寺田の両親が反対した。「お寺さん」という綽名はそれと知らずにつけられたのだが、実は寺田の生家は代々堀川の仏具屋で、寺田の嫁も商売柄僧侶の娘を貰うつもりだったのだ。反対された寺田は実家を飛び出すと、銀閣寺附近の西田町に家を借りて一代と世帯を持った。寺田にしては随分思い切った大胆さで、それだけ一代にのぼせていたわけだったが、しかし勘当になった上にそのことが勤め先のA中に知れて免職になると、やはり寺田は蒼くなった。