일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

山本 周五郎의 竹柏記(ちくはくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,798자 · 91화면

아오조라 문고

藩侯の使う御殿とはべつに、三棟の建物があり、そのなかの、隠居所ふうに造った一棟が、叔母の住居だった。叔母は独りで住んでいた。もっとも隣りの棟に女中たちがいるし、御殿の棟には、古くからこの山荘を預かっている中村忠蔵老人と、二人の番士がいた。裏のほうには植木番の足軽やお庭職人などの小屋もあるが、叔母の住居へは、必要のない限り、誰も近づくことが許されなかった。

木戸まで案内された孝之助が、そこから内庭へ入ってゆくと、障子をあけた部屋の、縁側ちかく膳を据えて、叔母が独りで酒を飲んでいた。髪を洗ったものか、まだ艶つやと黒い豊かな毛をひと束ねにして背へ垂れ、片方の膝を立てて、盃を持った手をゆったりとその膝がしらに載せている。小柄なひき緊った躯に、藍染の単衣を着、そのうえに派手な、たづな染の羽折を重ねていたが、……絹張りの行燈の光りに照らしだされたその姿は、下町ふうの粋にくだけた感じで、孝之助はちょっと戸惑いをした。

まだ九月中旬だというのに、土地が高いのと、まわりに樹が多いためだろう、空気はしんと肌寒いほど冷えて、風もないのに、しきりと落葉が舞っていた。

「しばらくでございました、お使いを下さいましたそうで」