일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 自由人(じゆうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,030자 · 139화면

아오조라 문고

へんなことが起りそうで……。」

北村は返事をせず、考えこんだ。暫く無言が続いた。

「それに、もう今から、なんだか、へんなことばかりあるの。」

彼女の顔に、また、閃めきがさっと走った。

「どんなことだい。」

「お父さまが、御病気らしいのよ。」

「病気らしい……そんなのは、ちっともへんじゃない。たとい病気でも、生き身だから、ふしぎはない。だが、ほんとに病気なのかい。」

「御病気らしいの。それも、とつぜん、ガチャリときて、それからのことだから、心配なの。」

「ちっとも分らん。はっきり言いなさい。」

千重子はちょっと考えて、それから話した。

いったい、千重子の父の松本順造は、北村もよく知ってることだが、無口で几帳面であって、激情などは外面に現わさず、如何なる不都合に対しても怒鳴りつけることをせず、常に常識的で冷厳であった。長年大蔵省に勤めた官吏上りの経歴がそこに看取される。特別の趣味も道楽もなく、晩酌の酒を少しく嗜むぐらいなもので、数種の新聞雑誌を精読するのと、或るつまらない会社へ隔日に出かけてゆくのが、唯一の仕事である。まだ六十歳になったばかりの、見たところ頑丈な身体には、それだけでは勿体ないことだが、実は生活疲労と心臓故障とが内部にあった。