일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면

아오조라 문고

(世の中は、むずかしい)

四年前のことが、思いだされた。彦島の病院に、袋だたきされた森新之助が入院していたとき、吉田磯吉が見舞をくれたことがある。そのときと似たような感慨が、金五郎の厚い胸を領した。

――人間と人間との関係の複雑さ、結びつきや、つながりの深さ、浅さ、その溝や谷、食いちがう歯車、敵と味方という危険な想念、理解と誤解との生む修羅――そして、こういうものが、時間の流れを背景にして、死と生とを交錯させながら、織りなして行く運命の劇。思えば、人生は多端で、前途は多難である。

(それにしても)と、金五郎は、思う。(――それにしても、やっぱり、吉田磯吉は、ええとこがある。大きいところがある)

そして金五郎は、まだ、自分の人生勉強の足りなさを、唇を噛んで、強く、反省するのであった。

命

あたしゃ、仲仕で、

半纏育ち

長い着物にゃ、

縁がない……

澄んだ張りのあるよい声で、「ゴンゾ唄」を歌っているのは、女仲仕の原田タネである。

メキシコ丸の舷側に、棚が吊られ、雛壇式の天狗取り荷役が、調子よく、つづけられている。その作業の動作に合わせ、はずみをつけるように、タネは、艀の中で、入れ鍬をしながら、仲仕歌をうたう。