후리가나로 읽는 일본 고전
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
「実は、わたしも、侠客が好きなんです。講談本を読んでいて、清水の次郎長や、国定忠治のような親分になりたいなあ、……って、考えたことはあります」
「とんでもねえ。兄ちゃん、そりゃあ、考えちがいだ」
「どうしてです?」
「次郎長や、忠治、ってえのは、いけねえや。侠客の屑さ。喧嘩を売り物にする奴は駄目だ。ほんとうのいい親分は、喧嘩をしねえな。だから、大前田英五郎というのは、えれえよ」
「大前田英五郎というのは、知りませんね」
「そうよ。斬った張ったはやらねえから、講談や浪花節にはならねえんだ。つまらねえ侠客というのは、みんな、派手なものさ」
そのときは、なにげなく聞き逃していた。むしろ、馬鹿くさいことのようにさえ思っていた。親分になどなる気は毛頭なかったからである。それで、般若の五郎が湯を出た後、
(あの変なバクチ打ち奴、つまらんことをいいやがる。からかってやったら、本気にしやがった。誰が親分なんかになるものか。彫青なんて、馬鹿にするな。龍になり、雲と風とに乗って、大空を翔けまわるんじゃ)
と、心中で叫んだのであった。
ところが、その抵抗にもかかわらず、運命の強力な軛にはさまれ、人情の谷に落ちこんで、いつか、その親分のようなものになってしまった。