일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면

아오조라 문고

金五郎は、門前に、ちょっとたたずんで、ここへ来る途中、前を通った岡部亭蔵宅を思いだした。共働組や、請負師組合では、岡部の方が責任者で、地位も上なのだが、実権は友田が握って、横暴のかぎりをつくしている。甘い汁を吸うことも、これと比例しているとみえて、家も、友田邸の方が、親分の岡部邸より、十倍も大きい。

(岡部氏と交渉出来るのなら、争議も、こんなには、こじれはせんじゃろうが、……)

今さら考えても始まらぬことを、考えずには居られなかった。

「よし」

と、金五郎は、うなずいた。行動のはずみをつけるための無意味な呟きだった。

チョッキの下の腹巻に入れているピストルを、上から、たしかめるように、おさえてみてから、鉄格子の門をくぐった。植込みの間の長い石甃を進んだ。犬が吠えだした。みごとなシェファードが、建仁寺垣の傍から、金五郎に向かって、歯と舌とをむきだしている。

玄関に、立った。

「おごめん」

すぐに、取次ぎが出て来た。四十歳くらいで、色の青白い、角刈りにした男、着物のうえから、「友田」と襟に入った半纏を引っかけている。

金五郎の顔はよく知っていて、

「こりゃあ、玉井の親分さん、早いお越しで……」