후리가나로 읽는 일본 고전
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はなさかぬリラ
花咲かぬリラ
山本 周五郎
山本 周五郎의 花咲かぬリラ(はなさかぬリラ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,378자 · 36화면
杉浦家の門を出て、国道のほうへ向かいながら、彼は云いようのない焦慮と不安に苦しめられた。列車の中で五人の仲間と語り合っていたときは、理想の実現に対する情熱と確信とで、どんなに困難な事情があろうとも必ず富美子を自分の手に奪いかえしてみせると思った。なぜなら彼の理想の実現にはいつもその計画の中心に富美子というものがおかれてあったからだ。しかし杉浦家を訪ねてみて、その困難さの意外に大きいことを知った、事情は予想以上に複雑なものらしい、彼女が家にいないということだけはたしかなようだが、結婚したのかどうかさえわからない、そのうえ杉浦氏は「富美子にその意志があったとしても、現在それが許されるかどうか疑わしい」という意味のことを云った。要するにぜんたいとして、杉浦氏が彼女のとった行動を世間に対して恥じている、なにをしたかということも、どこにいるかということも人に知られたくない、その事実のほかは来太にはなに一つ知ることができないのだ。
「おれは今きっと落第生のような面をしているに違いない」来太は勾配の緩い坂を下りてゆきながらそう呟やいた、「……おい隊長、きさま列車の中の元気はどうしたい、もうこのへんで兜を脱ぐかね、それとも、いやとにかく腹をこしらえるとしよう」