일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

私は日進月歩する近世医学の効験を信じないのでは決してない。電気治療もラヂウム鉱泉の力をもあながち信用しないのではない。しかし私はここに不衛生なる裏町に住んでいる果敢ない人たちが今なお迷信と煎薬とにその生命を托しこの世を夢と簡単にあきらめをつけている事を思えば、私は医学の進歩しなかった時代の人々の病苦災難に対する態度の泰然たると、その生活の簡易なるとに対して深く敬慕の念なきを得ない。およそ近世人の喜び迎えて「便利」と呼ぶものほど意味なきものはない。東京の書生がアメリカ人の如く万年筆を便利として使用し始めて以来文学に科学にどれほどの進歩が見られたであろう。電車と自動車とは東京市民をして能く時間の節倹を実施させているのであろうか。

私はかように好んで下町の寺とその附近の裏町を尋ねて歩くと共にまた山の手の坂道に臨んだ寺をも決して閑却しない。山の手の坂道はしばしばその麓に聳え立つ寺院の屋根樹木と相俟って一幅の好画図をつくることがある。私は寺の屋根を眺めるほど愉快なことはない。怪異なる鬼瓦を起点として奔流の如く傾斜する寺院の瓦屋根はこれを下から打仰ぐ時も、あるいはこれを上から見下す時も共に言うべからざる爽快の感を催させる。