일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

第九 崖

東京市の土木工事は手をかえ品をかえ、孜々として東京市の風景を毀損する事に勉めているが、幸にも雑草なるものあって焼野の如く木一本もない閑地にも緑柔き毛氈を延べ、月の光あってその上に露の珠の刺繍をする。われら薄倖の詩人は田園においてよりも黄塵の都市において更に深く「自然」の恵みに感謝せねばならぬ。

第九 崖

数ある江戸名所案内記中その最も古い方に属する『紫の一本』や『江戸惣鹿子大全』なぞを見ると、坂、山、窪、堀、池、橋なぞいう分類の下に江戸の地理古蹟名所の説明をしている。しかしその分類は例えば谷という処に日比谷、谷中、渋谷、雑司ヶ谷なぞを編入したように、地理よりも実は地名の文字から来る遊戯的興味に基いた処が尠くない。かくの如きはけだし江戸軽文学のいかなるものにも必ず発見せられるその特徴である。

私は既に期せずして東京の水と路地と、つづいて閑地に対する興味をばやや分類的に記述したので、ここにもう一つ崖なる文章を付加えて見よう。

崖は閑地や路地と同じようにわが日和下駄の散歩に尠からぬ興味を添えしめるものである。何故というに崖には野笹や芒に交って薊、藪枯しを始めありとあらゆる雑草の繁茂した間から場所によると清水が湧いたり、下水が谷川のように潺々と音して流れたりしている処がある。