일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

都会の大道には橋梁の便あって、自由に車を通ずるにかかわらず、殊更岸に立って渡船を待つ心は、丁度表通に立派なアスファルト敷の道路あるにかかわらず、好んで横町や路地の間道を抜けて見る面白さとやや似たものであろう。渡船は自動車や電車に乗って馳せ廻る東京市民の公生涯とは多くの関係を持たない。しかし渡船は時間の消費をいとわず重い風呂敷包みなぞ背負ってテクテクと市中を歩いている者どもには大なる休息を与え、またわれらの如き閑散なる遊歩者に向っては近代の生活に味われない官覚の慰安を覚えさせる。

木で造った渡船と年老いた船頭とは現在並びに将来の東京に対して最も尊い骨董の一つである。古樹と寺院と城壁と同じくあくまで保存せしむべき都市の宝物である。都市は個人の住宅と同じくその時代の生活に適当せしむべく常に改築の要あるは勿論のことである。しかしわれわれは人の家を訪うた時、座敷の床の間にその家伝来の書画を見れば何となく奥床しく自ら主人に対して敬意を深くする。都会もその活動的ならざる他の一面において極力伝来の古蹟を保存し以てその品位を保たしめねばならぬ。この点よりして渡船の如きは独りわれら一個の偏狭なる退歩趣味からのみこれを論ずべきものではあるまい。