일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

第七 路地

第七 路地

鉄橋と渡船との比較からここに思起されるのは立派な表通の街路に対してその間々に隠れている路地の興味である。擬造西洋館の商店並び立つ表通は丁度電車の往来する鉄橋の趣に等しい。それに反して日陰の薄暗い路地はあたかも渡船の物哀にして情味の深きに似ている。式亭三馬が戯作『浮世床』の挿絵に歌川国直が路地口のさまを描いた図がある。歌川豊国はその時代(享和二年)のあらゆる階級の女の風俗を描いた絵本『時勢粧』の中に路地の有様を写している。路地はそれらの浮世絵に見る如く今も昔と変りなく細民の棲息する処、日の当った表通からは見る事の出来ない種々なる生活が潜みかくれている。佗住居の果敢さもある。隠棲の平和もある。失敗と挫折と窮迫との最終の報酬なる怠惰と無責任との楽境もある。すいた同士の新世帯もあれば命掛けなる密通の冒険もある。されば路地は細く短しといえども趣味と変化に富むことあたかも長編の小説の如しといわれるであろう。

今日東京の表通は銀座より日本橋通は勿論上野の広小路浅草の駒形通を始めとして到処西洋まがいの建築物とペンキ塗の看板痩せ衰えた並樹さては処嫌わず無遠慮に突立っている電信柱とまた目まぐるしい電線の網目のために、いうまでもなく静寂の美を保っていた江戸市街の整頓を失い、しかもなおいまだ音律的なる活動の美を有する