일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

乗合の汽船と、荷船や釣舟は皆この水門をくぐって堤の外に出て行く。わたくしは十余年前に浦安に赴く途上、初めて放水路をわたった時の荒凉たる風景を憶い浮べ、その眺望の全く一変したのに驚いて、再び眼を見張った。

堤防には船堀橋という長い橋がかけられている。その長さは永代橋の二倍ぐらいあるように思われる。橋は対岸の堤に達して、ここにまた船堀小橋という橋につづき、更に向の堤に達している。長い橋の中ほどに立って眺望を恣にすると、対岸にも同じような水門があって、その重い扉を支える石造の塔が、折から立籠める夕靄の空にさびしく聳えている。その形と蘆荻の茂りとは、偶然わたくしの眼には仏蘭西の南部を流れるロオン河の急流に、古代の水道の断礎の立っている風景を憶い起させた。

来路を顧ると、大島町から砂町へつづく工場の建物と、人家の屋根とは、堤防と夕靄とに隠され、唯林立する煙突ばかりが、瓦斯タンクと共に、今しも燦爛として燃え立つ夕陽の空高く、怪異なる暮雲を背景にして、見渡す薄暮の全景に悲壮の気味を帯びさせている。夕陽は堤防の上下一面の枯草や枯蘆の深みへ差込み、いささかなる溜水の所在をも明に照し出すのみか、橋をわたる車と人と欄干の影とを、橋板の面に描き出す。