일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

Henri Bordeaux という人の或る旅行記の序文に、手荷物を停車場に預けて置いたまま、汽車の汽笛の聞える附近の宿屋に寝泊りして、毎日の食事さえも停車場内の料理屋で準え、何時にても直様出発し得られるような境遇に身を置きながら、一向に巴里を離れず、かえって旅人のような心持で巴里の町々を彷徨している男の話が書いてある。新橋の待合所にぼんやり腰をかけて、急しそうな下駄の響と鋭い汽笛の声を聞いていると、いながらにして旅に出たような、自由な淋しい好い心持がする。上田敏先生もいつぞや上京された時自分に向って、京都の住いもいわば旅である。東京の宿も今では旅である。こうして歩いているのは好い心持だといわれた事がある。

自分は動いている生活の物音の中に、淋しい心持を漂わせるため、停車場の待合室に腰をかける機会の多い事を望んでいる。何のために茲に来るのかと駅夫に訊問された時の用意にと自分は見送りの入場券か品川行の切符を無益に買い込む事を辞さないのである。

再びいう日本の十年間は西洋の一世紀にも相当する。三十間堀の河岸通には昔の船宿が二、三軒残っている。自分はそれらの家の広い店先の障子を見ると、母がまだ娘であった時分この辺から猿若町の芝居見物に行くには、猪牙船に重詰の食事まで用意して、堀割から堀割をつたわって行ったとか