후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
同時にまた、教科書の間に隠した『梅暦』や小三金五郎の叙景文をば目の当りに見る川筋の実景に対照させて喜んだ事も度々であった。
かかる少年時代の感化によって、自分は一生涯たとえ如何なる激しい新思想の襲来を受けても、恐らく江戸文学を離れて隅田川なる自然の風景に対する事は出来ないであろう。
鐘ヶ淵の紡績会社や帝国大学の艇庫は自分がまだ隅田川を知らない以前から出来ていたものである。それらの新しい勢力は事実において日に日に土手や畠や河岸や蘆の茂りを取払って行きつつあるが、しかし何らの感化をも自分の心の上には及ぼさなかったのだ。黒煙を吐く煉瓦づくりの製造場よりも人情本の文章の方が面白く美しく、乃ち遥に強い印象を与えたがためであろう。十年十五年と過ぎた今日になっても、自分は一度び竹屋橋場今戸の如き地名の発音を耳にしてさえ、忽然として現在を離れ、自分の生れた時代よりも更に遠い時代へと思いを馳するのである。
いかに自然主義がその理論を強いたにしても、自分だけには現在あるがままに隅田川を見よという事は不可能である。
自然主義時代の仏蘭西文学は自分にはかえって隅田川に対する空想を豊富ならしめた傾がある。