일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 蓼喰う虫(たでくうむし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,066자 · 216화면

아오조라 문고

忍び返しの塀の向うは、まるで人なぞ住んでいないように、いつもしーんとしてカタリと云う物音一つするではなく、ちょうどさびれた田舎の町の士族屋敷へでも行ったような佗びしさであった。ただいつ頃のことであったか、そこからおりおり琴の音につれてかすかに唄うこえが洩れた。その声の主は「福ちゃん」と云う児で、器量よしと云う評判が高かったから要も前から耳にしてはいたものの、それまで一度も顔を見たことはなかったし、見たいと云う気もなかったのを、或る日偶然二階から覗いたとき、多分夏のたそがれであったのだろう、縁側の閾際に座布団を敷いて明け放された葭簀に背中をもたれながら、蚊柱の立つ夕闇の空を見上げているほの白い顔が、ちらと此方を向いた。幼心にもその美しさに胸をつかれて凄い物でも見たように慌てて首を引っ込めてしまったから、どう云う目鼻立ちであったか纒まった印象は残らないながら、初恋と云うにはあまりに淡いあこがれに似た快感が、そののち暫く子供の夢の世界を領した。それは少くとも要の中にあるフェミニズムの最初の萌芽だったであろう。彼は今でもその時の彼女が幾つぐらいの歳ごろであったか見当がつかない。