일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むし

虫

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 虫(むし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,053자 · 86화면

아오조라 문고

彼はこの世に於て、全く異国人であった。彼は謂わば、どうかした拍子で、別の世界へ放り出された、たった一匹の、孤独な陰獣でしかなかった。

その様な彼が、どうしてあんなにも、死にもの狂いな恋を為し得たか。不思議と云えば不思議であるが、だが、考え方によっては、その様な彼であったからこそ、あれ程の、物狂わしい、人外境の恋が出来たのだとも、云えないことはない。彼の恋にあっては、愛と憎悪とは、最早や別々のものではなかったのだから。併し、それは後に語るべき事柄である。

幾何の財産を残して両親が相ついで死んだあとは、家族に対する見得や遠慮の為めに、苦痛をしのんで続けていた、ほんの僅かばかりの社会的な生活から、彼は完全に逃れることが出来た。それを簡単に云えば、彼は何の未練もなく私立大学を退校して、土地と家屋を売払い、予ねて目星をつけて置いた郊外の、淋しいあばら家へと引移ったのである。か様にして、彼は学校という社会から、又、隣近所という社会から、全く姿をくらましてしまうことが出来た。人間である以上は、どこへ移ったところで、全然社会を無視して生存することは出来ないのだけれど、柾木愛造が、最も厭ったのは、彼の名前なり為人を知っている、見知り越しの社会であったから、隣近所に一人も知合いのない、淋しい郊外へ移住したことは、その当座、