후리가나로 읽는 일본 고전
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 蜘蛛の夢(くものゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,189자 · 298화면
富に当ったのが彼の禍いで、それを教えたのは自分であるから、いよいよ彼に対して済まないような気がしてならない。せめてその供養のために、こうして毎朝幾匹ずつかの放し鰻をしているのであると、彼は洟をすすりながら話しつづけると、女房は黙って聴いていた。
「平さんもほんとうにお気の毒ね。あたしも御供養に放し鰻をしましょうよ。」
女房から一分の金を渡されて、おやじは又おどろいた。せいぜい五十文か百文が関の山であるのに、平吉は格別、この女房までが一分の金をくれるのはどうしたのであろうと、少しく不審そうにその顔をながめていると、女房は自分の手で小桶から一匹の小さい鰻をつかみ出して川へ投げ込んだ。つづいて自分も身を投げた。橋番のおやじは呆気に取られて、しばらくは人を呼ぶ声も出なかった。
死人に口無しで、もとより詳しい事情はわからないが、平吉に毒酒を贈ったのはこの女房であったらしい。女房は亭主の留守に平吉から七十五両の金をあずけられて、俄かに悪心を起してその金をわが物にしようと巧んだ。かれは日の暮れるのを待って平吉の家をたずねて行って、富にあたった祝いとでも名をつけて一升樽を贈ったのであろう。