후리가나로 읽는 일본 고전
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 蜘蛛の夢(くものゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,189자 · 298화면
友之助もこの空家でお蝶に逢っていたことをお銀はあとで知った。
その空家が眼のまえに近づいた時、お銀はひとつの黒い影が音もなしに表の格子から出て来たのを認めた。すこし不思議に思って提灯をかざしてみると、その影は傘をかたむけて反対の方角へたちまちに消えて行った。そのうしろ影が、かのお筆によく似ているとお銀は思った。
自分の家へはいると、留守をしている友之助のすがたは見えなかった。二、三度呼んだが、どこからも返事の声はきこえなかった。もしやと思ってお銀は表へ出て、となりの空家をあらためると、錠をおろしてある筈の格子がすらりと明いた。なんだか薄気味が悪いので、内へ引っ返して提灯をとぼして来て、沓ぬぎからそっと照らしてみると、ひとりの男が六畳の座敷に倒れていた。いよいよ驚いて表へ飛び出して、門のそばの車夫の家へ駈け込むと、元吉は丁度居合せたので、すぐに一緒に出て来た。
座敷のまんなかに倒れているのは上林吉之助であった。そればかりでなく、矢田友之助が台所に倒れていた。友之助は水を飲もうとして台所まで這い出して、そのまま息が絶えたらしい。亭主のあとから怖ごわ覗きに来た元吉の女房は、ふだんのおしゃべりに引きかえて、驚いて呆れて声も出せなかった。