후리가나로 읽는 일본 고전
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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
下村 湖人의 論語物語(ろんごものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,688자 · 266화면
聴くとか聴かせるとかの世界ではない。まして、自分の腕と他人の腕を比べたり、音楽のわかる者とわからぬ者とを差別したりするような世界とは、似ても似つかぬ世界なのじゃ。」
楽長は、雲を隔てて日を仰ぐような感じで、孔子の音楽論を聴いていた。しかし、孔子の最後の言葉が彼の耳にはいった時、彼の胸は急にうずき出した。そして孔子に「邪心がある」と云われても仕方がない、と思った。
「御教訓は、身にしみてこたえました。ありがとう存じます。これからは、技術を磨くと共に、心を治めることに、一層精進いたす決心でございます。」
彼は真心からそう云って、孔子の部屋を出た。孔子は、しかし、彼の足音が遠くに消え去るのを聴きながら、思った。
(楽長は、最高の技術は手や喉から生れるものでなくて、心から生れるものだ、という事だけは、どうやらわかったらしい。彼の音楽もこれからそろそろ本物になるだろう。だが彼は、私の音楽論がそのまま人生論でもある、ということには、まだ気がついていないらしい。究極の目標を音楽の技術に置いている彼としては、或はやむを得ないことかも知れない。しかし急ぐことはない。いずれは彼も、人生のための音楽ということに目を覚ます時が来るであろう。