후리가나로 읽는 일본 고전
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,569자 · 336화면
涙ぐんでいました。
「どうしたんだい」
「ごめんなさい。でも、うれしい。あたし待ってたわ。早く……いらっしゃい……」
マリイはトニイの手をひっぱって、部屋の中にはいりました。
せまいきたない部屋でした。大きなテーブルが一つと、いくつかの小さな椅子、戸棚、炊事場……。マリイは横手の扉をあけて、次の部屋にトニイをひっぱっていきました。そこには、ベッドが二つならんでいて、その一つに、やせた蒼白い女が坐っていました。
「お母さん、トニイさんがきたわ」とマリイは叫びました。「あたしが言った通りよ。トニイさんが来たでしょう。ねえ、トニイさんはいけない人じゃないわ」
トニイは何のことかわけがわからず、ただマリイのお母さんにていねいに挨拶をしました。
マリイはあいてる方のベッドにトニイを腰かけさして、これまでのことを話しました。――先日、アパートの受付の婆さんのところへ、一人の男がやってきて、マリイに届けてくれと、小さな包みをおいていきました。マリイはそれを受け取って、あけてみると、びっくりしました。金貨や銀貨がたくさんはいっていて、ただそれだけです。それを持ってきたのは、どんな男だか、いくら婆さんにきいても、よくわかりませんでした。