후리가나로 읽는 일본 고전
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
山本 周五郎의 赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,626자 · 45화면
一
一
俗に「伊豆さま裏」と呼ばれるその一帯の土地は、松平伊豆守の広い中屋敷と、寛永寺の塔頭に挾まれて、ほぼ南北に長く延びていた。表通りには僅かばかりの商店と、花やあか桶を並べた寺茶屋があるほかは、商家のつつましい隠宅とか、囲い者、かよい番頭などの、静かなしもたやが多く、だが、五筋ある路地へはいると、どの路地も左右の棟割り長屋が軒を接していて、馴れない者にはうっかり通ることができないほど、いつもうす暗く、狭く、そしてとびまわる子供たちでごたごたしていた。戸数は全部で四十七あるが、すっかり毀れて人の住めないところが十二戸もあり、そのほかにも借り手のない空き店が七戸か八戸あるので、実際の住人は二十七か八家族、合わせて百五十人から百七八十人を前後していた。
保本登が、去定の供でその長屋へいったのは、「鶯ばか」と呼ばれる男を診察したときのことであった。九月中旬の風の強い日で、五カ所を回診したあとだから、もう日は昏れかかってい、路地の中は煮炊きの煙でいっぱいだった。むろん、去定はもう馴染なのだろう、尊敬をこめた挨拶や、親しげに呼びかける声が、強い風に煽られる炊事の煙の中で、右から左からと、殆んど絶えまなしに聞えた。