일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しゅみのいでん

趣味の遺伝

夏目 漱石

夏目 漱石의 趣味の遺伝(しゅみのいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,235자 · 77화면

아오조라 문고

無限と云う感じはこんな空を望んだ時に最もよく起る。この無限に遠く、無限に遐かに、無限に静かな空を会釈もなく裂いて、化銀杏が黄金の雲を凝らしている。その隣には寂光院の屋根瓦が同じくこの蒼穹の一部を横に劃して、何十万枚重なったものか黒々と鱗のごとく、暖かき日影を射返している。――古き空、古き銀杏、古き伽藍と古き墳墓が寂寞として存在する間に、美くしい若い女が立っている。非常な対照である。竹藪を後ろに背負って立った時はただ顔の白いのとハンケチの白いのばかり目に着いたが、今度はすらりと着こなした衣の色と、その衣を真中から輪に截った帯の色がいちじるしく目立つ。縞柄だの品物などは余のような無風流漢には残念ながら記述出来んが、色合だけはたしかに華やかな者だ。こんな物寂びた境内に一分たりともいるべき性質のものでない。いるとすればどこからか戸迷をして紛れ込んで来たに相違ない。三越陳列場の断片を切り抜いて落柿舎の物干竿へかけたようなものだ。対照の極とはこれであろう。――女は化銀杏の下から斜めに振り返って余が詣る墓のありかを確かめて行きたいと云う風に見えたが、生憎余の方でも女に不審があるので石段の上から眺め返したから、思い切って本堂の方へ曲った。