후리가나로 읽는 일본 고전
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さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
山本 周五郎의 避けぬ三左(さけぬさんざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,846자 · 22화면
わたくしにはその肚が見える如くでございます」
弥左衛門はひそかに驚いていた。――そうだ、己は気がつかなかったが、これは徳川家にとって一大事だ。徳川氏を関東へ移し、駿遠参甲信の地をおのれの幕下におさめれば、万一のときには東海道はじめ碓氷、箱根の要害をもって安全に防げる、つまり太閤秀吉の天下は大盤石となるのだ。しかも関東の地は中古いらい荒蕪していて、ほとんど未開拓も同様であるから、この経営のために徳川氏は当分その勢力を傾倒しなくてはならぬだろう。――大納言さまはそこにお気づきあそばされなかったのか、おん大将も、井伊どのもお気づきなかったのか。
弥左衛門は俄かに背筋が寒くなった。
「わたくしは」と三左衛門はつづけた、「今日までわたくしは、自分一代のご奉公と考えておりましたけれども、関東移封とあいなれば、おいえの天下は遠いことになります。とてもわたくし一代のご奉公では、おいえのご運には及びますまい」
「…………」
「それで妻帯のことを想いたちました、葵のご紋の天下にひるがえる日をみるまでは、子にも孫にも、身命のご奉公をさせたいと考えます」
戦国の武士はつねに身命を賭している。