일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しっぽうのはしら

鏡花短編集

泉 鏡花

泉 鏡花의 鏡花短編集(しっぽうのはしら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,632자 · 32화면

아오조라 문고

まだ葉ばかりの菖蒲杜若が隈々に自然と伸びて、荒れたこの広い境内は、宛然沼の乾いたのに似ていた。

別に門らしいものもない。

此処から中尊寺へ行く道は、参詣の順をよくするために、新たに開いた道だそうで、傾いた茅の屋根にも、路傍の地蔵尊にも、一々由緒のあるのを、車夫に聞きながら、金鶏山の頂、柳の館あとを左右に見つつ、俥は三代の豪奢の亡びたる、草の径を静に進む。

山吹がいまを壮に咲いていた。丈高く伸びたのは、車の上から、花にも葉にも手が届く。――何処か邸の垣根越に、それも偶に見るばかりで、我ら東京に住むものは、通りがかりにこの金衣の娘々を見る事は珍しいと言っても可い。田舎の他土地とても、人家の庭、背戸なら格別、さあ、手折っても抱いてもいいよ、とこう野中の、しかも路の傍に、自由に咲いたのは殆ど見た事がない。

そこへ、つつじの赤いのが、ぽーとなって咲交る。……

が、燃立つようなのは一株も見えぬ。霜に、雪に、長く鎖された上に、風の荒ぶる野に開く所為であろう、花弁が皆堅い。山吹は黄なる貝を刻んだようで、つつじの薄紅は珊瑚に似ていた。

音のない水が、細く、その葉の下、草の中を流れている。