후리가나로 읽는 일본 고전
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
のうちの一日だったろうと思う。私はうだりきって疲れて空腹で、そうして傾いた西陽に灼かれながら歩いていた。
土堤の右側の下には、例の「ごったくや」といわれる小料理屋が並んでいて、そこを出外れると空地になり、いぶせき独立家屋であるわが家が見える。そこまで来たとき、私に呼びかける女の声が聞えた。
「蒸気河岸の先生よう」とその声は云った、「なにょうそんなにすましてるだえ」
私は声のほうへ振り向いた。
声は土堤の左側の下、つまり根戸川のほうから聞えて来たもので、そちらを見ると、川の中に三人の女がいて私に笑いかけた。それはごったくやの女たちで、三人とも全然まるはだかであった。私の眼の焦点は自動的に拡大し、対象物とのあいだに一種の保護膜を張ったのであるが、それでもなお彼女たちの逞しい肉躰、特に第二次性徴と呼ばれる部分のよく発達した、魅惑的な、というよりもむしろ涜神的なまるみやふくらみが、私の視覚をとらえて放さなかった。
――ここで眼はそらしてはいけない。
私はそのことをよく知っていた。眼をそらすことは、みつめること以上にすけべえなのだ。かつてよそから来た客が通りかかって同じようなけしきを見、仰天して脇へ向いたとき、彼女たちが歓声をあげて嘲弄するのを、見たことがあった。