후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
どの店の人間も彼の当身の多い講釈には参らされていた。
「寄ってらっしゃいたって、僕が食うようなものはありやしまいじゃないか」
「そりゃどうせ、しがない垂簾の食もの屋ですからねえ」
こんな応対で通り過ぎてしまう店先が多かった。無学を見透されまいと、嵩にかかって人に立向う癖が彼についてしまっている。それはやがて敬遠される基と彼は知りながら自分でどうしようもなかった。彼は寂しく自宅へ近付いて行った。
表通りの呉服屋と畳表問屋の間の狭い露路の溝板へ足を踏みかけると、幽かな音で溝板の上に弾ねているこまかいものの気配いがする。暗くなった夜空を振り仰ぐと古帽子の鍔を外ずれてまたこまかいものが冷たく顔を撫る。「もう霰が降るのか。」彼は一瞬の間に、伯母から令押被の平凡な妻と小児を抱えて貧しく暮している現在の境遇の行体が胸に泛び上った。いま二足三足の足の運びで、それを眼のあたりに見なければならない運命を思うと鼈四郎は、うんざりするより憤怒の情が胸にこみ上げて来た。ふと蛍雪館の妹娘のお絹の姿が俤に浮ぶ。いつも軽蔑した顔をして冷淡につけつけものをいい、それでいて自分に肌目のこまかい、しなやかで寂しくも調子の高い、文字では書けない若い詩を夢見させて呉れる不思議な存在なのだ。