후리가나로 읽는 일본 고전
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きがちたいをあるく
飢餓地帯を歩く
下村 千秋
下村 千秋의 飢餓地帯を歩く(きがちたいをあるく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,478자 · 31화면
「ばかりか、八月九月には、二度までも、非常な厳寒と降雹とに見舞われた。水稲も、畑の作物も、僅かにその茎を育てたきり、ついに満足な実を入れる暇がなかったのであった。そうして十月が来れば、いやでもこの地方には冬が来る。十一月となれば雪が降り出す。昨年の豊年飢饉のために、さなきだに、この社会を恨み嘆いていた百姓達は、この年の飢饉襲来に依って、完全に自暴自棄の絶望状態に陥し込まれてしまったのである。彼等は、宿命論者となって、大自然の無情を儚むと同時に、一方では、被圧迫者の立場から、現在の都会中心制度、都会商工業制度から来る搾取階級の無法を恨み呪うようになってしまった。
だが、斯く考える力を持ち、それを実行に現わそうとする意志を持つ農村の若き人々に対しては、私達は、或る未来と希望とを期待することが出来るが、それをすら持つことの出来ない、純朴な老人、母親などを見るとき、私は、只、暗涙を流すより外はなかったのである。
私は、七戸町のめし屋を出ると、案内の青年の後についてこの附近の最凶作地の浦野館村へ向って歩き出した。まだ午后二時頃であったが、空一面に墨色の雲が蔽いひろがって、夕暮のように暗い。