후리가나로 읽는 일본 고전
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おに
鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 鬼(おに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,138자 · 60화면
悲鳴を聞きつけて助けに駈けつけぬ筈はない。
「君はどう思う。犬共は、生きている女を喰い殺したのでなくて、とっくに殺されている死骸を餌食にしたのじゃないだろうか」
大宅幸吉が、やっとしてから物を云った。
「無論そうだね。僕も今それを云おうとしていたんだ」
青年探偵作家が答えた。
「すると……」
「すると、これは恐るべき殺人事件だよ。誰かがこの女を殺害して、例えば毒殺するなり、絞め殺すなりしてだね。それからこの淋しい場所へ運んで来て、ソッと叢の中へ隠して置いたという考え方だ」
「ウン、どうもそうとしか考えられないね」
「服装が田舎めいているから、多分この附近の女だろう。停車場もないこの村へ、旅人がさまよって来る訳はないからね。君この女のどっかに見覚はないか。多分S村の住人だろうと思うが」
殿村が尋ねる。
「見覚えがないかと云って、見るものがないじゃないか。顔もなんにもない、赤い塊りなんだもの」
如何にも、頭部はあるけれど、顔と名づけるものは跡方もない赤坊主であった。
「イヤ、着物とか帯とか」
「ウン、それはどうも見覚えがないよ。僕は一体女の服装なんか注意しないたちだからね」