후리가나로 읽는 일본 고전
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まぞう
魔像
林 不忘
林 不忘의 魔像(まぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 131,494자 · 260화면
向き合ってすわってみると、男同士である。もう何も言うことはなかった。ふたりは、軽く声を合わせて、あははと笑っていた。
五
はじめて知る恋ごころ――それは、風邪ひきのようなものだ。ゾッと寒気がして、ハアクシャン! くしゃみが出た時は、もう風邪をひいているのと同じことで、お妙が、ああこの男は、何という立派な方であろう! と、一眼見て思ったとき、その時すでに、かの女の心臓にはキュウピットの矢が刺さっていた。と、現代なら言うところであろう。享保の昔のことだから、キュウピットの矢なんていうモダンな飛び道具はなかったかも知れないが、いくらキュウピットの矢は無くても、恋をするのに別段不便は感じないのだ。その証拠には、このお妙がそれで――とにかく、これは戯けて済む問題ではなく、お妙は、この時はもう、立派に喬之助を恋していたのだった。
もっとも、はじめから、そんなはっきりした心もちで、そのため、窮地にいる恋人を救おうなどという気もちから、ああして父親と喬之助の間へ身を投げ出して、自分でも愕くような口をきいたわけではなく、あれはただ、父壁辰から受け継いでいる江戸ッ児、江戸ッ児の中でも下谷ッ児の気性が、あの瞬間ムラッと胸にこみ上げて来て、言わば無意識のうちに、気がついた時は、かの女はもうああした思い切った行動をとっ