후리가나로 읽는 일본 고전
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 296,741자 · 584화면
と云うのは、その彫字の縁に、所々金色をした微粒が輝いているのと、もう一つは、欠け落ちた歯の隙に、たぶん小鳥らしいと思われる、骸骨が突っ込まれていることだった。法水はその微粒を手に取って、しばらく眺めすかしていたが、
「ああ、恐らくこれが、ファウスト博士の儀礼なんだろうがね。しかし熊城君、この文字は乾板で彫ってあるのだよ。父よ吾も人の子なり――。それに、歯の間に突っ込まれている、小鳥の骸骨らしいのは、たぶん早期埋葬防止装置を妨げたという、山雀の死体に違いないのだ。ねえ怖ろしいことじゃないか。つまり、いったん算哲は棺中で蘇生したのだが、その時犯人は山雀の雛を挾んで電鈴の鳴るのを妨げたのだよ」
法水の声のみが陰々と反響しても、それがてんで耳に入らなかったほど、検事と熊城は、目前の戦慄すべき情景に惹きつけられてしまった。その姿体は、明白に棺中の苦悶であり、その結論は生体の埋葬に相違なかった。しかし、そうは云うものの、またファウスト博士にとれば、算哲が棺中で蘇生してから狂ったように合図の紐を引き、しかも救けは来ず、力もようやく尽きようとして、頭上の蓋を掻き毟っている有様と云うのが、恐らくまた、残虐な快感をもたらせたものだったかも知れないのである。