후리가나로 읽는 일본 고전
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いのちのしょや
いのちの初夜
北条 民雄
北条 民雄의 いのちの初夜(いのちのしょや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,366자 · 63화면
「あっ、ちちちい」
泣き声ばかりではなく、何か激烈な痛みを訴える声が混じっているのに尾田は気付いた。さっきの夢にまだ心は慄のき続けていたが、泣き声があまりひどいので怪しみながら寝台の上に坐った。どうしたのか訊いてみようと思って立ち上がったが、当直の佐柄木もいるはずだと思いついたので、再び坐った。首をのばして当直寝台を見ると佐柄木は、腹ばって何か懸命に書き物をしているのだった。泣き声に気付かないのであろうか、尾田は一度声を掛けてみようかと思ったが、当直者が泣き声に気付かぬということはあるまいと思われるとともに、熱心に書いている邪魔をしては悪いとも思ったので、彼は黙って寝衣を更えた。寝衣はもちろん病院からくれたもので、経帷子とそっくりのものだった。
二列の寝台には見るに堪えない重症患者が、文字どおり気息奄々と眠っていた。誰も彼も大きく口を開いて眠っているのは、鼻を冒されて呼吸が困難なためであろう。尾田は心中に寒気を覚えながら、それでもここへ来て初めて彼らの姿を静かに眺めることができた。赤黒くなった坊主頭が弱い電光に鈍く光っていると、次にはてっぺんに大きな絆創膏を貼りつけているのだった。