후리가나로 읽는 일본 고전
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さまようまちのさまよういえのさまようひとびと
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
国枝 史郎
国枝 史郎의 さまよう町のさまよう家のさまよう人々(さまようまちのさまよういえのさまようひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,916자 · 75화면
「ちょっとお待ちを」
と云いすてて、小間使は奥へ引き込みましたが、すぐに出て来て云いました。
「どうぞお通り下さいますよう」
――そこで私は通りました。
案内されたのは玄関の横の、立派な応接間でありました。
一方に玉突の台があり、一方にグランドピアノがあって、素晴らしく広い応接間で、客間めいたところさえありました。
ソファーへ倚って待ちながら、初枝嬢が出て来たら何んと云おうか、とそれに就いて考えました。
(そうだ、真先に試みてみよう)
私はそんなように決心しました。
運ばれて来た紅茶を喫み喫み、しばらく待って居りました。
と、軽い足音がし、ドアを開いて二十一二の、気高いように美しく、そうして大相無邪気な顔をした、洋装のお嬢さんが這入って来ました。
初枝嬢だったのでございますね。
私は直ぐに立ち上がり、両方の手の四本の指を――つまり母指と人差指とを、丸くして二つの輪をつくり、その輪を左右の眼へあてて、輪の中から初枝嬢を眺めてやりました。
と、初枝嬢はギョッとしたように、胸を背後へ反らしましたが、でも殆ど反射運動のように、自分も同じ形をし、輪の中から私を眺め返えしました。