후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
たずねびと
たずねびと
太宰 治의 たずねびと을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,132자 · 14화면
」
「はあ。」
妻は、いったいに、無口な女です。
「どこで?」
「甲府で。」
「子供を連れているんでは、やっかいだ。あがりませんか?」
桃とトマトを十ばかり、すばやく妻の膝の上に乗せてやって、
「隠して下さい。他の野郎たちが、うるさいから。」
果して、大型の紙幣を片手に握ってそれとなく見せびらかし、「いくつでもいいよ、売ってくれ」と小声で言って迫る男があらわれました。
「うるさいよ。」
おかみさんは顔をしかめ、
「売り物じゃないんだよ。」
と叫んで追い払います。
それから、妻は、まずい事を仕出かしました。突然お金を、そのおかみさんに握らせようとしたのです。たちまち、
ま!
いや!
いいえ!
さ!
どう!
などと、殆んど言葉にも何もなっていない小さい叫びが二人の口から交互に火花の如くぱっぱっと飛び出て、そのあいだ、眼にもとまらぬ早さでお金がそっちへ行ったりこっちへ来たりしていました。
じんどう!
たしかに、おかみさんの口から、そんな言葉も飛び出しました。
「そりゃ、失礼だよ。」
と私は低い声で言って妻をたしなめました。
こうして書くと長たらしくなりますが、妻がお金を出して、それから火花がぱっぱっと散って、それから私が仲裁にはいって、妻がしぶしぶまた金をひっこめるまで五秒とかからなかったでしょう。