후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
山本 周五郎의 ちくしょう谷(ちくしょうだに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,788자 · 138화면
六
と云い、慌てて口を手で押えた。
「申し訳のないことですが」と正内老人があやの言葉に続けた、「格子牢が古くなっていたのでしょう、おとついの夜押しやぶって、山越しに隣りの領内へ逃げたもようです」
隼人は岡村七郎兵衛を見た。
「むだでした」と云って岡村は肩をゆりあげた、「追手をかけましたが、足跡もみつからなかったそうです、しかしもう、ここへ帰って来るようなことはないでしょう」
六
木戸へ帰ってから、隼人は半月ほど躯を休めた。権八の拳にはひじょうな力があったし、倒れるとき岩で後頭部を打ったことも原因であろう、立ち居などの動作を急にすると、激しいめまいがして、倒れそうになる。おそらく頭の中になにか故障があって、それが恢復していないのであろう、そう考えてなるべく安静にしていた。
木戸の建物は三棟あった。役所、長屋、倉、と呼ばれていて、番頭や番士は役所の棟に住み、足軽と小者たちは長屋。そして倉には食糧や諸道具が置いてあった。――役所は表と裏にわかれていた。表には役部屋のほかに吟味所があり、その土間は付属の牢に続いている。そこは木戸の掟に反したり、領境を不法に越えたりする者を監禁するところで、罪の重い者は城下へ送られることになっていた。