일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면

아오조라 문고

君江はその頃、久しく一緒に住んで共に私娼をしていた京子という女が、いよいよ小石川諏訪町の家をたたんで富士見町の芸者家に住込む事になったので、泣きの涙で別れ、独り市ヶ谷本村町の貸二階へ引移り、私娼の周旋宿へ出入する事をよしていたので、一月あまりの間一晩も男に戯れる折がなかった。夜ふけてから外へ出た事さえ稀だったので、この夜久しぶり静にふけ渡った濠端の景色を見てさえ、何とも知れず心の浮き立つ折から、時候も丁度五月の初めで、袷の袖口や裾前から静に夜風の肌を撫でる心持。君江は清岡の事を少壮の大学教授か何かだろうと、始めからわるく思っていなかったので、飛び立つような嬉しさをわざと押隠し、誘われるがまま気まりのわるい風をしながら、その夜は四谷荒木町の待合へ連られて行った。君江は新に好きな男ができると忽ち熱くなって忽ち冷めてしまうという、生れついての浮気者なので、翌日も夕方近くまでいちゃついていたが、離れるのがいやさにカッフェーもそれなり休んで、井の頭公園の旅館に行き次の夜は丸子園に明して三日の後、市ヶ谷の貸間まで一緒に来てやっとわかれた。

清岡は丁度その頃、一時妾にしていた映画女優の玲子とやらを人に奪われ、代りの女を物色していた矢先、君江が身も心も捧げ尽したような濃厚な態度に、すっかり迷い込み、どんな贅沢な生活で