후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
腕をまわして帯の下から君江の腰を抱きながら、
「なるほどここは涼しい。お前のおかげで、おれもいろいろな事を経験するよ。六十になってベンチで女を待ち合わすなんて、実に我ながら意想外だ。この社殿の向に今でもきっと大弓場があるだろうが、おれも若い時分に弓をやりに来たことがあった。それから何十年とこの石段を上った事がない。それはそうと今夜はこれからどこへ行こうというんだね。ここのベンチでもいいよ。はははは。」と笑いながら君江の頬に接吻した。
君江は黙って、暫くの間老人のなすがままになっていたが、やがて静にベンチから立上り着物の裾前を合せ、鬢を撫でながら、「すこし歩きましょう。」と連立って石段を降りる。清岡は先刻君江が昇った女阪の方へ迂回って見えがくれに後をつけた。それとは知らない二人は話しながら堀端を歩いて行く。
「京子は富士見町へ出てから、どうだね。あの女のことだから、きっといそがしいだろう。」
「毎日昼間からお座敷があるんですって。この間ちょいと尋ねたのよ。だけれどろくろく話をしている暇もなかったのよ。あなた。これから寄って見ない。いなかったらいなかったで、別にかまやアしないから。