일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면

아오조라 문고

幾年も夫婦同様にしていれば結局籍を入れるのがあたり前のはなしだからな。最初の事は能く知らんが、お宅のはなしではもう五年になるそうだな。」

「はい。たしか。」と鶴子はわざと言葉を濁して伏目になった。今更指を折って数えて見るまでもなく、鶴子は五年前、年齢は二十三の秋、前の夫が陸軍大学を出て西洋へ留学中、軽井沢のホテルで清岡進と道ならぬ恋に陥ったのである。先夫の家は子爵で、別に資産はなかったが、とにかく旧華族の家柄なので、世間の耳目を憚り親族は夫の帰朝を待たず多病といいなして鶴子を離別した。鶴子の家にはその時既に両親がなく、惣領の兄が実業界では相応に名を知られていたところから、衣食に窮しないだけの資産を鶴子に与えて生涯実家や親類の家へ出入する事を禁じた。その時分進はまだ駒込千駄木町にあった老父熙の家にいて、文学好きの青年らと同人雑誌を刊行していたのであるが、鶴子が離別されると間もなく父の家を去って鎌倉に新家庭をつくった。半年ほどたった時老父の熙は突然流行感冒で老妻を先立たせ、また文官年限令で帝国大学教授の職を免ぜられたので、これを機会に千駄木の家を人に貸して、以前から別荘にしてあった世田ヶ谷の廃屋に棲遅した。