후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
進の方でも父が平生の気質からその憤りを察して、これに反抗するため、わざとそれなりに月日を過していた。ところが老人は亡妻の命日に駒込の吉祥寺に往った時、一人の若い女が墓前に花を手向けているのを見て、不審のあまり、丁度狭い垣根の内のことで、女の方から気まりわるそうに辞儀をするまま、その名をきいて始めてその女が倅の妻の鶴子である事を知ったのである。老人は進の如き乖戻な男と好んで苦楽を偕にしているような女が、言わばその姑に当るものの忌日を知って墓参りをするとは、そもそもどうした訳であろう。そんな訳のあろうはずがない。年寄の耳の聞まちがえではないかという気もしたので、墓地の小径を並んで歩む折重ねてその名をきき直した。それが話の糸口になって、寺の門を出てから電車に乗って別れる時まで知らず知らず話をしつづけた。老人は平素現代の青年男女には道徳の観念は微塵もない。男は大抵乖戻放慢の徒で、女はまず禽獣と大差なきものと思込んでいる矢先、鶴子の言葉使いや挙動のしとやかな事がますます不可思議に思われ、更にまた、これほど礼節をもわきまえている女がどうして姦通の罪を犯したのであろうと、家へ帰った後も頻に心を労した末、ふと老人は鶴子が操を破ったのはあるいは放蕩無頼な倅に欺かれたためではないかという気がした。