후리가나로 읽는 일본 고전
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,729자 · 371화면
た。
私達の乗った馬は、倶楽部中で一番優れたものだったし、岬の坂道は思ったよりも緩やかだったので、それから十分としないうちに私達は深谷邸の玄関に辿りついた。折から待ち構えていた下男の手によって、間もなく私達の馬は建物の日蔭の涼しいところへ繋がれ、やがて私達は明るい船室風の応接室で、キャプテン深谷氏の夫人に面会することが出来た。
地味な黒い平服を着て銀のブローチを胸に垂れた深谷夫人は、まだ四十を幾つも越さぬらしい若々しさだ。大粒な黒眼に激しい潤いを湛えて、沈鬱な口調で主人の上にふりかかった恐ろしい災禍について語るのだった。
私は夫人の話すところを聞くうちに、先程私の抱いた予感が見事に適中しているのに驚いた。夫人の語るところによれば、キャプテン深谷氏は昨夜もあの奇妙な帆走に出掛けたと云う。そして今朝はもう冷たい骸となって附近の海に愛用のヨットと共に漂っていたのだ。私は医師としての職責を果すために、直に夫人を促して、別室に置かれた深谷氏の屍体の検査をしなければならなかった。けれどもそこで私は、この事件をかくも異様な恐るべき物語にしてしまったところの驚くべき最初の事実を発見しなければならなかった。